電子衝撃による飽和炭化水素の骨格結合の切噺確率

書誌事項

タイトル別名
  • Scission Probabilities of the Skeletal Bonds of Saturated Hydrocarbons by Electron Bombardment

抄録

電子衝撃によって一次的に生ずる鎖状・単環および多環の飽和炭化水素の骨格結合の切断確率を,前報と同じく各分子の最高被占準位の分子軌道のその結合における賦荷密度から謀出する方式を述べる。これを9種の直鎖アルカソ,5種の単環シクロアルカン,デカリンおよび5α-コレスタンについて応用する。その結果を多次切断の起こりにくい条件下で測定した質量スペクトルからの実測値と比較検討する。計算値がC-C結合の種類により定まるパラメーターのみを用いて算出された点を考えると,それと輿測値との一致は満足すぺきものである。 しかし質量スベクトルの予言という目的には本理論はまだ不完全で,とくにつぎの2点が不備;(a)結合切断にさいし,いずれの生成フラグメントがイオンとなるか,(b)C-H結合の切断確率の決定。そこで本論文で採用した衝撃電圧の低下効果法の意議。これらについて考察を行なう。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 91 (7), 585-597, 1970

    The Chemical Society of Japan

被引用文献 (6)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ