比較生化学の立場から見たMentha Pulegium Linn.とMentha Gattefossei Maireとの精油

書誌事項

タイトル別名
  • Essential Oil of Mentha Pulegium Linn. and M. Gattefossei Maire viewed from the Stand-point of Comparative Biochemistry
  • ヒカク セイカガク ノ タチバ カラ ミタ Mentha Pulegium Linn. ト Mentha Gattefossei Maire ト ノ セイユ

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説明

前報のMentha Gattefossei Maireの精油成分と比較するために同一場所で栽培した M. Pulegium Linn.の精油成分をガスクロマトグラフィーで検索した。このものの精油は収率生草の0.64%,油分はα-ピネン0.1%, β-ピネン0.1%, リモネン0.1%, 3-オクタノン0.4%, 酢酸-3-オクチル0.2%, 3-オクタノール2.5%,3-メチルシクロヘキサノン3.2%,1-オクテン-3-オ一ル1.2%, l-メントン26.4%, d-イソメントン3.2%, l-イソプレゴン2.0%, メントール0.1%, d-プレゴン50.5%, ピペリトン1.8%, cis-ブレゴンオキシド1.4%, trans-プレゴンオキシド1.4%, その他5.6%からなることがわかった。<BR>この両油分でガスクロマトグラムのピーク総数は19, このうち両者同一のものが14ある。これを類縁度(similarity)14/19×100=74%と呼ぶことにする。これはこの両者がはなはだ近似であることを示す。しかし両者の差異として,このM.Pulegiumの油分のリモネン含有率は0.1%であるが, M.Gattefosseiのそれは3.4%であること, およびM.Gattefosseiの精油にはメント一ルは存在しないが, M.Pulegiumには微量ながらすでにメントールが含まれていることがあげられる。このことは精油成分の生成様式から見て, M.Pulegiumの方がM.Gattefossei よりも進化の度合(degree of evalutian)がやや高いことを示す。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 88 (7), 767-769, 1967

    The Chemical Society of Japan

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