ジメチルホルムアミド中における銅(II)-2-メチル-8-キノリノール錯体のポーラログラフ的挙動

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タイトル別名
  • The Polarographic Behavior of Cu(II)-2-methyl-8-quinolinol Complex in Dimethylformamide

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説明

ジメチルホルムアミド(DMF)中における銅(II)-2-メチル-8-キノリノール(化学式中ではMQOHと略記する)錯体の電子反応と,電極反応におよぼす陽イオンの影響について検討した。過塩素酸テトラエチルアンモニワム支持塩中では, Cu(MQO)2は滴下水銀電極のもとで, -0.647Vおよび-2.38Vvs. SCEに拡散支配のポーラログラフ波を与える。第1波は可逆的1電子還元波の性質を示し,錯体中の中心金属イオンのCu2+からCu+への遠元に対応し,第2波は錯体中の配位子の非可逆な還元波である。定電位電解の結果などから,電極反応は次式のように進み,銅(I)錯体から金属銅への還元は生じないことがわかった。<br> Cu(MQO)2+e〓Cu(MQO)2-<br> 溶液のにリチウムイオンや,弱酸が存在すると,ポーラログラフ波は変化し,錯体は金属銅にまで還元されるようになる。これは,電解還元によって生じたCu(MQO)2-と陽イオンの間に配位子交換反応が起こり, 1価の錯体が不安定になるためと考えられる。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 92 (12), 1148-1152, 1971

    The Chemical Society of Japan

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