書誌事項
- タイトル別名
-
- Studies on the Oxidation of Organic Compounds with Lead Tetraacetate. II. Mechanism of the Oxidation of Benzoin.
この論文をさがす
説明
四酢酸鉛によりベンゾィンを酸化してベンジルを生成せしめる反応の速度を氷酢中で測定した結果, この反応が両者に関しそれぞれ1次であることを見いだし, 前報のアセトン, アセトフェノン等の場合と同じくケトンのエノール化を中間に経る反応ではあるが, この場合は通常のケトンの場合と異なり, 反応の律速はベンゾインのエノール化の段階ではなくてエノールと四酢酸鉛の反応であることを明らかにした。このエノール化速度がきわめて大で律速となり得ないことは, 同じ機構にしたがうベンゾインと臭素の反応速度も同様に2次であって, この場合ですらエノールと臭素の反応が律速であることによっても証明せられた。また臭素ならびに四酢酸鉛とスチルベンとの反応速度の比較その他の結果から, 第2段のエノールと四酢酸鉛の反応はグリコール開裂の場合と同じ機構にしたがうことを結論した。なお含水酢酸中では同じベンゾインと四酢酸鉛の反応によって安息香酸が生ずることが知られているが, 酢酸中の含水量と, 2次速度定数の関係からこの反応がベンゾインへの水の付加を経て進行するものであることを速度論的に立証した。
収録刊行物
-
- 日本化學雜誌
-
日本化學雜誌 79 (9), 1060-1063, 1958
The Chemical Society of Japan
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205150580992
-
- NII論文ID
- 130003508722
-
- COI
- 1:CAS:528:DyaF3cXht1yntbk%3D
-
- ISSN
- 21850917
- 03695387
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可