ポリリン酸塩の溶液粘度および溶解度に対する陽イオンの影響

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  • Effect of Cations on the Solution Viscosity and the Solubility of Polyphosphates

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オルトリン醜二水素ナトリウム(NaH2PO4)およびオルトリン酸二水素カリウム(KH2PO4)を加熱して脱水縮合させ,それぞれGraham塩およびカリウムKurrol塩を合成した。これらのポリリン酸塩を臭化合物混合溶液に溶解して固有粘度を測定した。ポリリン酸塩の固有粘度は Na+ < K+ < (CH3)4N+ の順に大となるが,Ca2+の存在でいちじるしく減少した。このような変化は高分子鎖の切断によるものではなく,高分子鎖の拡がりの変化によるものであることが明らかにされた。<BR>また,臭化ナトリウム-臭化カリウムおよび臭化ナトリウム-臭化テトラメチルアンモニウム溶液に対するカリウムKurrol塩の溶解度を測定した。いずれの場合にも飽和溶液中においては,陽イオン比 a=[Na+]soln.は一定であり,a=0.591なる値が得られた。これを用いて溶解度を算出すれば,その値はx0=0~0.5の範囲では測定値とほぼ一致した。ただし x0 は溶媒中におけるK+または(CH3)4N+の当量分率である。x0がさらに大となれば,とくに(CH3)4N+の存在するときには,溶解度の値は上記の計算値よりも大となった。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 88 (4), 403-407, 1967

    The Chemical Society of Japan

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