酸化バナジウム(V)触媒によるナフタリン酸化各種オキソ酸塩の添加効果

書誌事項

タイトル別名
  • Oxidation of Naphthalene by Vanadium Pentoxide Catalyst Promoting Action of Various Pot assium Oxysalts

抄録

酸化バナジウム(V)触媒のナフタリン酸化活性に対する各種オキソ酸カリウム塩(K3X04)の添加効果を構造化学的に調べた。オキソ酸塩の助触媒作用は,(1)V205とK2XO4の酸塩基反応によるK20-V205系化合物(K20・4VO5および少量のK20・V204・8V205)の生成,および,(2)V205格子へのXO3成分の固溶,の2点から論議すべきであることがわかった。 ナフタリソ酸化においては(1)の効果が支配的である。そしてK20成分の存在は酸化活性とともに無水フタル酸生成の選択率の向上をもたらす。実際,K20-V205系化合物のナフタリン酸化活性はであった。これらの化合物の酸化活性と構造との関連から,活性は,バナジウム原子の電子密度に関係し,K20/V2O5比の大きい化合物が低活性であるのはバナジウム原子の電子密度が大きくてナフタリンを化学吸着できないためと推論した。K2O成分による無水フタル酸への選択率の向上もバナジウム電子密度の変化によって説明できる。

収録刊行物

  • 日本化學雜誌

    日本化學雜誌 91 (9), 843-849, 1970

    The Chemical Society of Japan

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