日本人英語学習者のスピーキング能力の土台としての音読の有用性

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タイトル別名
  • The Potential of Oral Reading as a Scaffold for Japanese EFL Learners' Speaking Ability
  • ニホンジン エイゴ ガクシュウシャ ノ スピーキング ノウリョク ノ ドダイ ト シテ ノ オンドク ノ ユウヨウセイ

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抄録

本研究は従来から教室で使われている音読を,スピーキング能力を高めるための手段として再評価し,音読能力とスピーキング能力との関係を実証的に調査することを目的とする。はじめに,音読とスピーキングのプロセスを比較した。スピーキングのプロセスには語彙的・文法的言語化(lexical and grammatical encoding)の要素が重要な役割をはたしている。音読も工夫することによって,スピーキングに近いプロセスを生起させることが可能である。たとえば,「顔上げ音読」(read and look up)では語彙的・文法的再確認(verification)の要素が,「なりきり音読」(personalized oral reading)では語彙的・文法的再構成(restructuring)の要素が含まれており,その結果としてこれらの音読活動は認知的負荷が高く,スピーキングで生起している認知プロセスに近くなると推察される。以上のことから,本研究では,同じ音読でも認知的負荷が高い音読ほどスピーキング能力との関係が深くなるという仮説を導くことに至り,実験の結果,その仮説はほぼ支持された。

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