観察・実験活動における高校生のメタ認知の実態に関する調査研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Survey on High School Students' Metacognition in Experimental Activities
  • カンサツ ジッケン カツドウ ニ オケル コウコウセイ ノ メタ ニンチ ノ ジッタイ ニ カンスル チョウサ ケンキュウ

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抄録

本研究の目的は,質問紙調査によって,高等学校理科の観察・実験活動における高校生のメタ認知の実態を明らかにし,さらに,メタ認知を活性化するための学習指導法開発への示唆を得ることである。まず,高等学校の生徒(4校,716名)を対象として,高校生のメタ認知の構成概念を確認した(分析1)。次に,学習意欲や学業成績が異なると推測される進学校(A校)と進路多様校(D校)の結果を中学校と比較することを通して,高校生のメタ認知の実態についての詳細な分析を行った(分析2)。その結果,以下のことが明らかとなった。1.観察・実験活動における高校生のメタ認知の構成概念には,「自分自身によるメタ認知」と「他者との関わりによるメタ認知」の2因子が確認された。2.「自分自身によるメタ認知」は,実験前では,進路多様校が中学校よりも働きが低く,実験中では,進学校が進路多様校や中学校よりも働きが高かった。一方,「他者との関わりによるメタ認知」は,実験場面にかかわらず,進路多様校が進学校と中学校よりも働きが低かった。3.「自分自身によるメタ認知」は,中学校では,実験前と実験中が実験後より働きが高いのに対して,進学校と進路多様校では,実験中が実験前と実験後より働きが高かった。一方,「他者との関わりによるメタ認知」は,学校種にかかわらず,実験前が実験中と実験後より働きが高かった。そして,高校生のメタ認知を活性化させるための指導法として,次の2点を導出した。1.進路多様校では,観察・実験活動に対する意欲を高め,観察・実験に関する科学的知識を正しく理解させること。2.進学校,進路多様校ともに,観察・実験活動を科学的知識を活用するための手段として課題解決的に位置づけること。

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被引用文献 (2)*注記

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