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- 織田 輝哉
- 慶應義塾大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Evolutionary Approach and Rational Choice Approach in Sociology
- シャカイガク ニ オケル シンカロンテキ アプローチ ト ゴウリテキ センタク
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抄録
社会学においてゲーム理論の枠組みを用いて分析を行う場合、合理的選択アプローチと進化論的アプローチの二つがある。合理的選択アプローチが行為者の高度の計算能力を仮定し事前の熟慮によってナッシュ均衡を選択すると考えるのに対し、進化論的アプローチでは行為者は限定された合理性しか持たず、事後的に利得の高い戦略を選択するという方法で安定状態に至ると考える。<BR> この二つのアプローチは方法論的に大きな相違点を持つが、近年の進化論的ゲーム理論の発展は、二つのアプローチを結びつけることとなった。すなわち、進化論的ゲームの安定状態がワンショットゲームのナッシュ均衡と対応づけることができ、限定された合理性しか持たない行為者がゲームを繰り返す結果として、ナッシュ均衡に到達する可能性が示されたのである。したがって、この二つのアプローチは広義の合理的選択理論として、一方では均衡分析と均衡における相互行為のモデルによって、他方では歴史的経路の分析やシュミレーション分析によって、相互補完的に研究を進めることが可能である。
収録刊行物
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- 理論と方法
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理論と方法 12 (2), 137-148, 1998
数理社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205164724608
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- NII論文ID
- 130005407598
- 110000511729
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- NII書誌ID
- AN10096921
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- ISSN
- 18816495
- 09131442
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- NDL書誌ID
- 4529461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可