Maximin原理に基づくゲーム理論構築の試み
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- 河野 敬雄
- 無所属
書誌事項
- タイトル別名
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- On a Game Theory based on the Maximin Principle
説明
プレイヤーどうしの提携に基礎をおくノイマン・モルゲンシュテルンの協力ゲーム理論にしろ均衡戦略の概念を主要な分析手段に用いるナッシュの非協力ゲーム理論にしろ,確かに経済学において多大な成功を納めているが,社会学にそのまま応用した場合必ずしも成功しているとは思われない.その主因のひとつは提携形ゲームが依拠している結託の概念や非協力ゲームが依拠しているナッシュ均衡戦略の概念が社会学に適用するには強すぎる公理を仮定しているためではないかと思われる.本論文において,従来のゲーム理論が依拠する相手プレイヤーの合理性を期待せず,代わって保証水準という概念を導入することによって自然に導かれる合理的選択がMaximin原理であることを示し,いくつかの例についてナッシュ均衡に基く合理的選択理論よりも社会学的に有益と思われる結論が導かれる場合があることを示す.一例として,チキンゲームに基く核抑止力の説明には一定の合理的根拠があることが示される.
収録刊行物
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- 理論と方法
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理論と方法 28 (2), 319-336, 2013
数理社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205164801792
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- NII論文ID
- 130004685189
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- ISSN
- 18816495
- 09131442
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可