態度のゆらぎによる再組織化過程シミュレーション

  • 岡田 勇
    電気通信大学大学院<BR>情報システム学研究科
  • 石田 和成
    松江工業高等専門学校<BR>情報工学科
  • 太田 敏澄
    電気通信大学大学院<BR>情報システム学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A Reorganizing Process on Attitude Fluctuations :
  • タイド ノ ユラギ ニ ヨル サイソシキカ カテイ シミュレーション
  • A Simulation Study

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抄録

限定合理性の仮説では,人間の認知能力の限界から,再組織化に対する最適なアプローチは存在しない。しかし,パーソナリティを取り込んだモデルを構築し,そのエージェントに態度変容を生じさせ,組織行動のパターンに適当な態度のゆらぎをもたらすことにより,効果的な再組織化過程を実現することができる。このモデルは,パーソナリティを備えたマルチエージェントのモデルであり,組織業績や環境適応の観点から,再組織化過程を検討するものである。再組織化過程は,実証的な研究方法の適用が困難な複雑な対象であるため,計算機シミュレーションを用いている。さらに,このようなアプローチを操作的オーガニゼーション指向アプローチと総称し,方法論的可能性についても議論する。再組織化過程における態度のゆらぎは,心理学における達成動機とMinskyの差分エンジンの概念を取り入れて構築している。パーソナリスティックエージェントは,タスク執着,対人好悪感情,保守性を変数として構築している。その結果,組織性員のパーソナリティや態度のゆらぎを媒介として,再組織化─硬直化を引き起こすメカニズムを,ポジティブ─ネガティブ・フィードバックに対応させて記述することが可能になったと考える。

収録刊行物

  • 理論と方法

    理論と方法 14 (2), 2_33-2_52, 1999

    数理社会学会

被引用文献 (2)*注記

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