所得分布の生成モデル

書誌事項

タイトル別名
  • A Generative Model of Income Distribution :
  • 所得分布の生成モデル--反復投資ゲームによる定式化
  • ショトク ブンプ ノ セイセイ モデル ハンプク トウシ ゲーム ニ ヨル テイシキカ
  • ―反復投資ゲームによる定式化―
  • Formalization with Iterative Investment Game

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説明

ジブラ法則に従うことが経験的に知られている所得分布が、個人の合理的選択の集積によって生成される過程を単純なモデルによって定式化することを試みる。ベースライン・モデルとして「成功すれば高利得を得るが不確実な投資」と「低利得しか得られないが確実な安全策」のどちらかを行為者が合理的に選択する反復ゲームを用いた。モデルの利得構造を決定する所与のパラメータは投資成功確率(報奨密度)&gと投資に対する利益率Rである。分析は数値計算によるシミュレーションでおこなった。ゲーム回数を5または10とし、R={0.5,1,2,3}、0≦γ≦1の範囲でパラメータを変化させ、それに伴う総獲得純益分布の歪度およびジニ係数の変化を調べた。分析の結果、ジニ係数の増減には臨界点が存在するという予想が得られた。<BR> また、ゲームの勝者がより多く投資してより多くを得る累積効果を考慮した場合、反復投資ゲームが生成する総獲得純益分布はγ›1/(R+1)のとき対数正規分布に従うことがわかった。

収録刊行物

  • 理論と方法

    理論と方法 14 (2), 2_3-2_17, 1999

    数理社会学会

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