-
- 林 紘一郎
- 情報セキュリティ大学院大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- A Reconsideration of Legal Interests and Methods for Personal Data Protection:
- 「個人データ保護」の法益と方法の再検討 : 実体論から関係論へ
- 「 コジン データ ホゴ 」 ノ ホウエキ ト ホウホウ ノ サイケントウ : ジッタイロン カラ カンケイロン エ
- From Substance to Relationship
- 実体論から関係論へ
この論文をさがす
抄録
2005年の個人情報保護関連5法の全面施行以来、個人データとプライバシーの保護が、大きな社会問題となり、最近の共通番号方式の導入やビッグ・データへの熱狂に伴って、再度議論が盛り上がっている。しかし学問的に見れば、個人データ保護とプライバシー保護が混同されたままである等、合意形成が進んだとは言えない。この分野で活躍する多くの人が実務者であり、また法学が実践の学であることから、医学に喩えれば臨床 (対症療法) に重きが置かれ、生理学や疫学が軽視されがちである。そこで本論文では、もう一度原点に立ち返って、個人データ保護とは何を保護法益としているのか、それにふさわしい保護方式は何か、といった原理論を再検討してみたい。その出発点は、法益を「守るべき客体」と実体論的に考えるよりも、イギリス流に「情報の授受当事者間の信頼関係の維持」と関係論的に捉え直すことであろう。その際併せて、「データ保護とプライバシー保護」「対公権力と私人間関係」「感性的理解と理性的理解」の3つを区分 (アンバンドル) するなど、理論研究を進める上で前提となる考え方と、「コミットメント責任」という法人責任論を提案したい。
収録刊行物
-
- 情報通信学会誌
-
情報通信学会誌 31 (2), 77-92, 2013
公益財団法人 情報通信学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205165728256
-
- NII論文ID
- 10031200211
-
- NII書誌ID
- AN10063944
-
- ISSN
- 21863083
- 02894513
-
- NDL書誌ID
- 024932293
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可