東アジアにおけるケーブルテレビ事業者の差別化戦略

  • 米谷 南海
    財団法人マルチメディア振興センター情報通信研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Differentiation Strategies of Cable TV Operators in East Asia
  • 東アジアにおけるケーブルテレビ事業者の差別化戦略 : 政府企業間関係論的視座からの国際比較分析
  • ヒガシアジア ニ オケル ケーブルテレビ ジギョウシャ ノ サベツカ センリャク : セイフ キギョウカン カンケイロンテキシザ カラ ノ コクサイ ヒカク ブンセキ
  • 政府企業間関係論的視座からの国際比較分析
  • An International Comparative Analysis of the Government-Business Relationship

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抄録

本論文は、日本、韓国、台湾を事例に、ケーブルテレビ事業者の差別化戦略がどのように決定されるのかを、政府企業間関係の観点から分析したものである。三か国のケーブルテレビ事業者は同様の技術的発展経緯を辿り、現在では世界有数のケーブルテレビ大国に成長した類似点がある一方、その差別化戦略と政府企業間関係の密接度には大きな違いがある。分析の結果、ケーブルテレビ事業者の政府企業間関係が密接な日本では、事業者が採算性の低い地域サービスを事業の中心に据えながらも「地域メディア」として市場で生き残ることが可能だったことが判明した。それに対し、政府企業間関係が希薄な韓国と台湾では、ケーブルテレビ事業者の地域性は初期段階で失われてしまい、現在では採算性を重視した通信サービス中心の差別化戦略を採用するに至っている。ケーブルテレビ事業者の差別化戦略は国によって多様であるが、そこには政府企業間関係の違いが反映されていることが明らかになった。

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