関節可動域測定におけるElectoronic Goniometerの実用性

DOI
  • 横山 浩康
    JA埼玉県厚生連熊谷総合病院 リハビリテーション科
  • 萩原 礼紀
    日本大学医学部附属板橋病院 リハビリテーション科 日本大学大学院 生産工学研究科管理工学専攻
  • 曷川 元
    日本大学医学部附属板橋病院 リハビリテーション科 日本大学大学院 総合社会情報研究科人間科学専攻

抄録

我々理学療法士が日々行う臨床業務の中で,関節可動域(以下ROM)測定は,高頻度で行われる評価である。従来のROM測定は測定結果をメモに残し,そのメモをカルテに記載するという繁雑な業務を伴う。また,測定時においての長時間の関節固定は,患者の負担増となっている現状である。実際に臨床業務においてのROM測定は,角度計を使用しない目測での測定が行われている場合や,角度読み取り時において角度計にぶれが生じ,角度を読み違えてしまう場合が多い。こうした問題点は測定・業務を正確かつ迅速に行えることが改善策の一つであると考える。そこで我々はROM測定において,1)Evidence Based Medicineに根ざした評価の正確性の向上,2)従来は業務負担となっていた記録方法の見直しによる業務効率の向上,を目的にElectoronic Goniometer(E-ゴニオ:パール光学工業社製)を開発した。これまで多施設間でのデータの蓄積を行い,報告を行ってきた。今回の実験では,理学療法士15名に対し,E-ゴニオと東大式鉄製角度計を用いて,膝関節模型および健常男性の左下肢のROM測定(足指を除く全下肢関節)を行い,評価の正確性・再現性および測定時間の比較を行った。結果,E-ゴニオは従来型角度計に比して正確性・再現性に優れた傾向にあり,測定時間についてはE-ゴニオが有意に減少した。本機の開発が,リハビリテーション施行時間の確保,および理学療法の効果向上に貢献できるものと考える。<br>

収録刊行物

  • 埼玉理学療法

    埼玉理学療法 12 (1), 63-67, 2005

    社団法人 埼玉県理学療法士会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205180219520
  • NII論文ID
    130004442421
  • DOI
    10.11350/jspta.12.63
  • ISSN
    13480294
    09199241
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ