ニューラルネットワークを用いたドナウ川の水質解析―OECDレポートを用いて―

  • 神部 順子
    大東文化大学外国語学部 科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(JST-CREST)
  • 長嶋 雲兵
    科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(JST-CREST) 産業技術総合研究所計算科学研究部門
  • 山内 あい子
    徳島大学薬学部
  • 青山 智夫
    宮崎大学工学部

書誌事項

タイトル別名
  • Water Quality Comparison of the Donau, Based on OECD Reports
  • ニューラル ネットワーク オ モチイタ ドナウガワ ノ スイシツ カイセキ OECD レポート オ モチイテ

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説明

OECDによるドナウ川の水質データの経年変化に関し,欠測データを含むデータの解析が可能な多階層型ニューラルネットワークシミュレーション(CQSAR)法を用いて,欧州の河川再自然化政策等による河川の水質浄化の有効性およびダム建設の影響を検討した.<BR>ドイツ圏で施行されている河川再自然化や水質浄化政策はT-P値の改善にはあまり効果がなかったが,DO,BOD値を改善していた.特に,ドナウ川のハンガリー流域でのBOD値に浄化傾向がみられた.ドナウ川のBOD値から自然浄化作用が河川浄化策の施行により回復してきていると判断できた. <BR>スロヴァキアとハンガリー間のドナウ川に設けられたダム(ガブチコボ・ナジュマロシュ・ダム)の影響は,DO値は悪化される傾向にあり,逆にBOD値は改善される傾向にあった.また,ダム建設によりダム下流のドナウ川のハンガリー流域でのDO値やBOD値が,ダム上流域の水質と関係しなくなったことが明らかになった.

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