ディジタルストーリーテリング(Digital Storytelling)

抄録

<p>プローブ(Probe)とは探針を意味する言葉である.道路交通の分野では,自動車を探針とみなしたプローブカー(Prove car)と呼ばれる情報収集機能を持った車を複数台走行させ,道路の渋滞の具合や所要時分などの情報をリアルタイムでセンターに伝送させることで,より詳細な交通流情報を把握し,交通管制に反映させる研究が進んでいる.</p><p>ダイヤに従って運行される鉄道などの軌道交通システムにおいては,このような目的でのプローブは不要であるが,営業車両に,設置が容易なセンサー類やGPSを取り付け,車両が走行して得られた車両動揺や信号授受の状態をリアルタイムで検出,分析することが可能となると,既存の保全形態が大幅に変貌するばかりでなく安全な輸送システム実現にも寄与できる.このような車両をプローブ車両(Probe vehicle)と呼んでいる.鉄道の安全性を確保するためには,軌道,信号システムの維持管理が重要な要素となっている.このため,関連するデータを現場での実測もしくは専用の検測車によって取得し管理に用いてきた.複数のプローブ車両により実際の動揺を常時計測し,その計測データとGPSなどから得られる位置情報から,必要と判断された箇所を保全するという形態に移行できるので,沿線の検測業務は大幅に軽減され,真に必要な箇所を優先的に保全することが可能になる.一方,JR福知山線の脱線事故以降,運転士の運転状態を監視するための研究も行われている.これにより,運転士の運転状況を車上で常時監視し,異常な運転行動を検知した場合には警報を発出するなどの対応が可能となる.</p><p>参考文献 綱島均,松本陽,水間毅,中村英夫,“プローブ車両技術の導入による軌道交通システムの状態診断”,自動車技術,61巻2号,(2007),pp.98-104</p>

収録刊行物

  • 知能と情報

    知能と情報 19 (2), 149-149, 2007

    日本知能情報ファジィ学会

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