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- 増田 隆夫
- 北海道大学大学院工学研究科物質工学専攻
書誌事項
- タイトル別名
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- Peculiar Diffusion Mechanisms within Micropores of Zeolite Catalysts
- ゼオライト ショクバイ ノ ミクロコウ ナイ ニ オケル トクイ ナ カクサン ゲンショウ
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説明
ゼオライトの拡散機構について, MFI型ゼオライトを中心に紹介した。拡散には結晶内拡散係数と有効拡散係数がある。結晶内拡散係数はゼオライト結晶内のmobilityを表し, その値に分配係数 (=拡散分子の結晶内濃度/気相濃度) を乗ずることで有効拡散係数が得られる。そのため, 主に結晶内拡散係数を取り扱った。MFI型ゼオライトの拡散は主に, (1) 形状拡散, (2) 細孔入口部の拡散抵抗, (3) 吸着阻害の拡散, (4) 共存物質の影響, に支配される。 (1) と (2) に関して, まず吸着過程と脱着過程の結晶内拡散係数を測定した。両過程の拡散係数を比較したところ, 拡散分子と細孔内および細孔入口部との立体障害によって拡散が支配されており, その寄与が吸着と脱着過程で異なることが分かった。また, 金属格子内の拡散現象を基に, 結晶内拡散係数を推算するモデル式を導出した。 (3) に関しては, 低温領域では拡散分子の酸点上での滞留が拡散を支配することが分かった。また, 酸点および金属カチオンを含むMFI型ゼオライトへの低級パラフィンやオレフィンの拡散でも, 同様に吸着阻害の拡散現象が観察された。 (4) に関しては, 二成分のうち拡散が速い成分だけが共存分子の影響を受け, 拡散係数は単成分系での値よりも著しく減少した。また, 二成分系と単成分系の結晶内拡散係数の比をRandom walk simulationで予測するとともに, 計算する実験式を提案した。さらに, 吸着等温線から求めた分配係数を結晶内拡散係数に乗ずることで有効拡散係数を求めた。その値は異なる結晶サイズのゼオライトを用いた反応実験で推算した値と良好に一致した。また, 分配係数の値より, ゼオライト中の分子の濃度は気相の100倍以上となっており, 濃縮効果を見い出した。
収録刊行物
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- Journal of the Japan Petroleum Institute
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Journal of the Japan Petroleum Institute 46 (5), 281-294, 2003
公益社団法人 石油学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205188005760
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- NII論文ID
- 10017033083
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- NII書誌ID
- AA11590615
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD3sXntFejsL8%3D
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- ISSN
- 1349273X
- 13468804
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- HANDLE
- 2115/70844
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- NDL書誌ID
- 6690916
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可