アニオン性界面活性剤を用いたメソポーラスシリカ材料の合成

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  • Synthesis of Mesoporous Silica Materials by Using Anionic Surfactants as Template

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抄録

メソポーラスシリカの合成法として,カチオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤あるいは長鎖アルキルアミンを用いて,これらの分子とシリカ種との協奏的相互作用,自己組織化によりメソ構造を形成するルートが確立されている。しかしながら,アニオン性界面活性剤を用いた合成ルートは報告されていなかった。塩基性条件下において,負に帯電した界面活性剤頭部と同じく負に帯電したシリカ種をいかに相互作用させるかという観点から研究を進めてきた結果,世界で初めてアニオン性界面活性剤を用いたメソポーラスシリカ“AMS”(Anionic surfactant templated mesoporous silica)の合成に成功した。一級アミンである3-アミノプロピルトリメトキシシラン,あるいは第四級アンモニウム塩であるN-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライドと一般的なシリカ源であるオルトケイ酸テトラエチルの混合物をシリカ源として使用し,塩基性下で合成することが成功の鍵であった。また,キラルなα炭素を有するアミノ酸系アニオン性界面活性剤を用いることで,メソ構造は2d-hexagonalであるが,らせん状にねじれた形態を示し,内部にキラルなメソ細孔を有するシリカの合成に成功した。本稿では,AMSの合成戦略ならびに合成機構,AMSの多様なメソ構造,アミノ基含有AMS,キラルな細孔を有するAMS等について解説する。

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