ZSM-5ゼオライト上でのバイオエタノールからプロピレンへの変換反応

  • 高橋 厚
    (国研)産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター
  • 藤谷 忠博
    (国研)産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Conversion of Bioethanol to Propylene over ZSM-5 Zeolites

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説明

<p>バイオエタノールからポリプロピレンなどのポリマー原料となるプロピレンを製造するための高性能触媒の開発を目的とし,ZSM-5上でのエタノールからのプロピレン合成における反応特性および反応メカニズムについて検討を行った。Si/Al2比の異なるZSM-5触媒上で接触時間や反応温度を変化させて系統的にエタノールの変換反応を検討した。その結果,接触時間を変化させることにより,Si/Al2比が異なってもエタノール転化率および生成物分布はほぼ同じであることが分かった。さらに,プロピレンの生成速度は,Si/Al2比に依らずブレンステッド酸点の量に依存し,ZSM-5上でのプロピレン生成に関する活性点は同じであることが分かった。ZSM-5上でのプロピレン合成に関する反応機構もSi/Al2比に依存せず,エタノールは脱水反応によりエチレンへと転換し,その後,エチレンが直接プロピレンに転換していることを見出した。また,生成したプロピレン,ブテンは芳香族炭化水素へと逐次的に反応する。一方,ZSM-5上では,プロピレン生成活性は時間とともに著しく低下する。これは,エタノールの脱水反応で生成する水によってZSM-5骨格中の脱アルミニウムが進行するためである。この活性劣化抑制を目的として種々の金属種による修飾を検討したところ,リン修飾することにより水による脱アルミニウムを著しく抑制することができ,顕著に耐久性が向上した触媒の調製が可能となった。</p>

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参考文献 (21)*注記

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