銀クラスター触媒によるグリーン有機合成

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  • Silver Cluster Catalysts for Green Organic Synthesis

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抄録

近い将来の白金族金属の供給不足を考慮すると,白金族フリーのグリーン有機合成用触媒の開発は合成化学の重要な課題である。本グループはAgクラスターの触媒作用の研究を行ってきた。本稿では,サイズ・担体特異的なグリーン有機合成用Agクラスター触媒に関する最近の研究成果を解説する。アルミナ担時銀クラスター触媒は,(1)酸化剤フリー条件でのアルコールのカルボニル化合物へ脱水素反応,(2)アミンとアルコールからのアミドの直接合成,(3)アルコールによるアニリンのN-アルキル化,(4)アルコールのC–Cクロスカップリング反応,(5)芳香族ニトロ化合物の選択的水素化,(6)芳香族ニトロ化合物とアルコールからのN-置換アニリンの直接合成に対して,有効な不均一系触媒として作用する。触媒設計指針を確立するために,銀粒子のサイズと担体酸化物の酸・塩基性の影響を検討した。すべての反応に対する構造活性相関は同様の傾向を示し,粒径の小さいAgクラスターと担体の酸・塩基サイトの存在が必須因子であった。金属/担体界面におけるAgクラスター上の配位不飽和Agサイトと担体の酸・ 塩基ペアサイトの協働作用がグリーン有機合成用銀クラスター触媒設計のための重要な指針であると提案した。

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