薬物スコアを用いた犬のアトピー性皮膚炎に対する減感作療法の評価

  • 荒井 延明
    スペクトラム ラボ ジャパン株式会社 日本獣医生命科学大学獣医学部獣医外科学教室
  • 中丸 大輔
    なかまる動物病院
  • 原 康
    日本獣医生命科学大学獣医学部獣医外科学教室
  • 多川 政弘
    日本獣医生命科学大学獣医学部獣医外科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Hyposensitization Therapy for Canine Atopic Dermatitis Using Symptom Medication Scores

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説明

犬のアトピー性皮膚炎(Canine atopic dermatitis:CAD)の一般的な治療法としてステロイド療法があるが,痒みに対する効果は認められているものの,長期投与に依存することにより,その副作用も多く発生している。それに対して減感作療法(アレルゲン特異的免疫療法)は,WHO見解書においてアレルギーの自然治癒を促す唯一の治療法と位置づけられ,獣医療分野でも欧米ではCADの長期療法として最善の方法とされている。そこで減感作療法実施による臨床症状や薬物治療をスコア化した評価を検討し,治療前1カ月と治療後13カ月の比較で臨床症状とステロイド投与量の減少効果を検証した。ステロイド療法で維持していたCAD症例11頭に対して,減感作療法の導入を図ったところ,ステロイドの投与量を顕著に減らすことが可能であった。減感作療法に対して有効以上の評価を得た症例は11症例中9例(81.8%)であった。薬物スコアとステロイド投与量に関して治療の前後を比較するために,ウィルコクスン検定を行ったところ,ともに有意差がみられた(p < 0.05)。

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参考文献 (18)*注記

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