コロイド状および担持ナノ粒子の設計─その合成,構造解析と触媒作用─

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  • Design of Colloidal and Supported Metal Nanoparticles: Their Synthesis, Characterization, and Catalytic Application

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抄録

金属ナノ粒子は,単核金属種とバルク金属との中間に位置し,量子サイズ効果や特異な表面構造に由来する独特な物理化学的特性を示すことから触媒材料として非常に注目されている。ここでは,高効率・高選択を実現し,かつ容易な分離回収と再利用を可能とする金属ナノ粒子触媒について述べる。第一に,シングルサイト光触媒と紫外光照射を組み合わせた金属ナノ粒子の担持法を開発した。本手法を用いるとPdAu合金なども合成可能であり,水素・酸素からの過酸化水素合成反応に,従来触媒をはるかに上回る活性を示す。また,pH応答性Agナノ粒子を利用し,担持金属ナノ粒子の粒子径を制御する新規手法を構築した。さらに,触媒活性,磁性,表面特性などそれぞれの機能を最大限に発揮できるよう巧みに集積することにより,他の触媒系ではなし得ない新機能を発現する金属ナノ粒子触媒を開発した。FePt磁性ナノ粒子を核とし,その表面をシングルサイト触媒含有シリカでコーティングしたコア-シェル型ナノ微粒子は,液相での酸化反応に高い触媒活性を示す。FePt磁性ナノ粒子をγ-CD(γ-シクロデキストリン)で修飾すると親水化し,水溶媒中での水素化反応に高い活性を示す。FePd磁性ナノ粒子はキラルBINAPによる修飾で光学活性を示し,不斉Suzuki-Miyaura反応が可能となる。さらに,鋳型法により合成した400~500 nm程度の中空γ-Fe2O3は,高い活性選択性を兼ね備えた新規触媒となることを見出した。

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参考文献 (203)*注記

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