ジステアリルヒドロキシルアミン酸化防止剤の作用機構

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  • Radical Scaveging Mechanism of Distearyl Hydroxylamine Antioxidant

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抄録

近年,ジステアリルヒドロキシルアミンがポリマーの安定剤として提案されたが,その信頼性ある作用機構は未だ解明されていない。本研究はラジカル捕捉能の面から,より確かな作用機構を確立しようとするものである。ジステアリルヒドロキシルアミンは炭素中心ラジカルよりも酸素中心ラジカルをより良く捕捉した。ジステアリルヒドロキシルアミンのα,α-ジメチルベンジルオキシラジカル捕捉能(kinh = 5.8 × 104 dm3 · mol−1 · s−1)はBHT(kinh = 1.7 × 104 dm3 · mol−1 · s−1)またはHALS NOHのそれよりかなり高かったが,そのラジカル捕捉数(n)は過去に報告されているほど高くなかった。ジステアリルヒドロキシルアミンの得られた高いラジカル捕捉能は,HALS NOHのそれと比較した場合,そのラジカルの水素引き抜きに由来するN,N-ジステアリルニトロキシドラジカルのC–N結合の切断のしやすさに基づくことも推定された。本研究では,ジステアリルヒドロキシルアミンの新しいラジカル捕捉機構を電子スピン共鳴スペクトルの結果を含めて提案する。

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