アニオン性界面活性剤および塩基性アミノ酸を用いた規則性シリカ多孔体の創製とその応用

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  • Syntheses and Applications of Well-ordered Porous Silicas by Using Anionic Surfactants and Basic Amino Acids

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抄録

ゼオライトやメソポーラスシリカのように規則的な細孔構造と高い比表面積を有する規則性シリカ多孔体は,触媒や吸着剤に加え機能性材料として応用されている。中でも,2~50 nmの一定な細孔径を持つシリカ系メソポーラス物質は,ミクロ細孔を有するゼオライトでは対応できないような大きな分子を対象にした触媒,吸着・分離剤としての用途,さらにはエレクトロニクスやエネルギー材料など様々な分野での応用が期待されており,活発な研究が続けられている。これまでメソポーラスシリカはカチオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤,あるいは長鎖アルキルアミンをメソ細孔の鋳型として用いる手法が確立されてきたが,アニオン性界面活性剤を用いた合成手法は開発されていなかった。正電荷を帯びうる有機官能基(アミノ基やアンモニウム塩)を有する有機シランをシリカ源の一部に用いることでアニオン性界面活性剤を用いたメソポーラスシリカの合成に成功した。一方,均一なサイズのシリカナノ粒子を規則的に配列させたコロイド結晶体は,均一かつ3次元的な空間を有しているため規則性シリカ多孔体と考えることができる。塩基性アミノ酸を溶解させた水溶液中でTEOSの反応を行うことで,粒子サイズが均一かつ非常に小さい10 nm程度のシリカ粒子が調製できることを見出した。さらに,簡易なドライアップ処理により,3 nm程度の細孔を有する規則性シリカ多孔体を合成できることを見出した。本稿ではアニオン性界面活性剤を用いたメソポーラスシリカ,ならびに塩基性アミノ酸を用いた単分散シリカナノ粒子コロイド結晶の調製と応用について述べる。

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参考文献 (172)*注記

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