選択酸化触媒としての結晶性Mo–V複合酸化物

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  • Establishment of Crystalline Complex Mo–V–Oxides as Selective Oxidation Catalysts

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抄録

ナノレベルで複数の触媒成分が3次元的に組織化した固体酸化物は,その複雑構造ゆえに特異な触媒反応場を提供することが可能になり,多くの難しい化学反応を触媒的に達成し,高い効率で反応を進める固体触媒になり得る。特に,有機物の選択酸化のように多段の反応からなり,それぞれを精緻に制御する必要のある反応では,このような複雑反応場の構築は大変重要である。そのような中,複雑構造物質の典型例としてMo3VOx触媒が登場した。酸素八面体が五角形に縮合したユニットを固体の形成単位とし,これが平面的にネットワーク化し固体を形成している。これはエタンの気相酸化脱水素によるエチレン合成やアクロレイン酸化によるアクリル酸合成に極めて高い活性を示し,結晶性Mo3VOx触媒が従来の固体触媒を超えた。ネットワーク構造形成の際,エタンなどの小分子を取り込むことのできる七員環のチャネル構造の形成とともに,ネットワーク構造内に酸素八面体クラスターを配備した複雑構造となることが,高い触媒活性発現の根本である。

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