豚糞尿混合物からのアンモニア揮散量のin vitro測定法

  • 山本 朱美
    (財) 畜産環境整備機構畜産環境技術研究所
  • 伊藤 稔
    (財) 畜産環境整備機構畜産環境技術研究所
  • 古谷 修
    (財) 畜産環境整備機構畜産環境技術研究所

書誌事項

タイトル別名
  • An In Vitro Procedure for Evaluation of Ammonia Emission from Pig Manure.
  • ブタ フンニョウ コンゴウブツ カラ ノ アンモニアキサンリョウ ノ in vitro ソクテイホウ

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説明

ブタの糞尿混合物からのアンモニア揮散量のin vitro測定法を開発した. 測定装置は, 糞尿混合物を入れ, アンモニアを発生, 揮散させるための約1l の培養器, 揮散したアンモニアを捕集するため150ml の4%ホウ酸溶液を入れた捕集ビンおよび吸気のためのポンプおよび流量計からなっている. この測定装置を用いてアンモニア揮散量に及ぼす要因について検討した. アンモニア揮散量は, 培養温度を20, 30および40℃と高めるにともない, また, 吸気量を125ml/minから500ml/minへ増加させるのにともなって直線的に増加した. 糞尿混合物のうち, 尿量を160gと一定として, これに糞を40g混合した場合には, 80gの場合に比較して, アンモニア揮散量は約2倍になった. これは, 糞を多く混合した場合には, 糞尿混合物のpHが低くなり, アンモニアの揮散が抑制されることによると考えられた. また, 糞あるいは尿単独で培養した場合には, アンモニアの揮散はほとんど認められなかった. アンモニア揮散量を5日間にわたって測定すると, 直線的に増加した. 以上の結果にもとづき, ブタの糞尿混合物からのアンモニア揮散量の測定では, 糞40gおよび尿160gの混合物を培養器に入れ, 培養温度30℃, 吸気量500ml/minの条件下で1~2日間培養し, 4%のホウ酸溶液に吸収されたアンモニアを硫酸で滴定することとした.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 73 (4), 503-508, 2002

    公益社団法人 日本畜産学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (17)*注記

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