南九州における雌ウマの血中性ステロイド濃度と卵胞組織の季節的変動

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal Variations of Sex Steroid Hormones in Plasma and Ovarian Follicular Morphologies of Mares in Southern Kyushu.
  • ミナミキュウシュウ ニ オケル メス ウマ ノ ケッチュウセイ ステロイド ノウド ト ランホウ ソシキ ノ キセツテキ ヘンドウ

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抄録

南九州でのウマの繁殖活動を明らかにするため, 食肉センターで解体された雌の重種馬280頭について, 周年にわたり血中性ステロイド濃度の変動と卵巣の形態的変化を調査するとともに, 得られた卵胞2,202個について組織学的検査を行い, 季節的変動を検討した. 平均血中プロジェステロン (P4) 濃度は2月3.0ng/ml から7月8.3ng/ml, エストラジオール-17β (E2) 濃度は11月3.3pg/ml から6月13.1pg/ml の範囲で変動した. 11月から2月の非繁殖期において直径30mm以上の黄体が27頭にみられた. 直径30mm以上の成熟卵胞は通年で存在し, 形態的に健常な卵胞の割合は5月70%が1月32%に比べ有意に高かった. 11月から2月の非繁殖期における卵胞は3月から10月の繁殖期と比較して顆粒層が薄く, 卵胞膜細胞の矮小化と核の濃縮が観察された. この結果, 南九州で肥育された雌ウマでは, 非繁殖期においても機能的黄体が存在するなど一定程度の卵巣活動はあるが, 直径30mm以上の健常卵胞では顆粒層が薄く, 卵胞膜細胞の黄体化が認められないなど, 繁殖期のそれと比べ差異が観察された.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 73 (3), 389-396, 2002

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (24)*注記

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