膀胱前立腺全摘出術を実施した前立腺癌の犬の1例

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タイトル別名
  • A Case of Canine Prostatic Carcinoma Treated with Cystoprostatectomy

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説明

<p>去勢済雄,8歳齢のミニチュアダックスフントが元気・食欲の低下と排尿障害を主訴に来院した。腹部X線検査および超音波検査にて石灰化を伴う前立腺肥大を認め,細胞診検査にて異型性の高い上皮系細胞を認めた。前立腺腫瘍による尿道閉塞と診断し,膀胱前立腺全摘出術を実施した。病理組織検査結果において前立腺癌と診断された。手術により排尿障害は改善したが,早期に腫瘍の全身的進展を認め第97病日に斃死した。膀胱前立腺全摘出術による前立腺癌の完全切除は困難であり,腫瘍進展の制御には術後補助療法が必要となる。本症例のように術前に腫瘍の肉眼的転移所見を認めない症例においても,前立腺癌に対する全身療法の有効性が明らかでない現状では膀胱前立腺全摘出術の適用は慎重に検討すべきである。また膀胱前立腺全切除術のみでは生存期間の延長は望めないと考える。</p>

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