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- 宮坂 実木子
- 国立成育医療研究センター放射線診療部
書誌事項
- タイトル別名
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- Diagnostic findings of pediatric renal cystic disease
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説明
腎嚢胞性疾患の診断のきっかけは,胎児超音波検査によるスクリーニング,奇形症候群や家族歴のある患児の腹部精査,尿路感染症,血尿,腹部腫瘤など様々である.腎嚢胞性疾患は,非遺伝性と遺伝性疾患の2つに大別される.非遺伝性の嚢胞性疾患として最も頻度が高いのは,多嚢胞性異形成腎(multicystic dysplastic kidney: MCDK)である.代表的な遺伝性嚢胞性疾患は,常染色体劣性多発性嚢胞腎(autosomal-recessive polycystic kidney disease: ARPKD)と常染色体優性多発性嚢胞腎(autosomal-dominant polycystic kidney disease: ADPKD)である.遺伝性嚢胞性疾患は,繊毛病のひとつと考えられている.画像診断検査は,超音波検査が第1選択であり,初期発見および診断,フォローアップに用いられる.特徴的な超音波所見がそれぞれの診断の中核となり,臨床症状,家族歴などを考慮して総合的に診断される.MCDKは,ぶどう房状の嚢胞の集簇であり,正常な腎実質は認めない.ARPKDとADPKDでは,腎のサイズや実質輝度,嚢胞の大きさや部位などのほか,さらに肝や膵臓などの腹部実質臓器の異常所見についても検索することが大切である.本稿では,代表的な腎嚢胞性疾患の超音波所見を中心に解説する.
収録刊行物
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- 超音波医学
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超音波医学 44 (6), 489-495, 2017
公益社団法人 日本超音波医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205198228480
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- NII論文ID
- 130006207169
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- ISSN
- 18819311
- 13461176
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可