救命救急センターで働く看護師へのせん妄の教育に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the education of delirium to the nurses working in emergency and critical care center
  • キュウメイ キュウキュウ センター デ ハタラク カンゴシ エ ノ センモウ ノ キョウイク ニ カンスル ケンキュウ

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説明

【目的】せん妄の教育プログラム構築の基礎資料とするため、救命救急センターで働く看護師のせん妄教育の課題を明らかにする。【方法】救急看護経験年数3〜5年の看護師729名を対象に質問紙調査を行った。記述統計量を算出し、学習経験とケアの変化、教育を受けた経験とケアの変化、教授方法とケアの変化についてχ2検定を行い有意差を求め、せん妄の教育に関する課題を見出した。【結果】回収数371部(50.9%)、有効回答318部(43.6%)だった。せん妄の学習経験は259名(81.4%)が有し、その内183名(70.7%)がせん妄の教育を受けた経験を有し、183名中180名(98.4%)がせん妄の教育体制が必要と回答した。教授方法は講義が最も多く、事例検討等は講義に比べ少なかった。講義では、多職種で行うケアを意識するようになった等のケアの変化に有意差がみられた(p<.05)。事例検討では、せん妄のケアに自信がついた等のケアの変化に有意差がみられた(p<.05)。【考察】講義で得た知識はせん妄の認識を高められたが、看護ケアへ活用しきれていないことが考えられた。事例検討では、実践的にケア方法を学べたため、ケアの自信や事故の減少につながったと考える。これらより、救命救急センターで働く看護師のせん妄教育の課題は、講義によるせん妄の知識の獲得が主となり、ケア技術の向上を目標とした講義以外の教授方法での介入が少ないことである。その対策は、救命救急センターに入院する患者の特性を踏まえ、講義に他の教授方法を組み込んだ教育プログラムを構築し展開させることである。

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