右室心尖部ペーシングに起因する収縮後期の左室内異常高速血流

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タイトル別名
  • Late-systolic left ventricular abnormal flow caused by right ventricular apical pacing

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説明

心室ペーシングでは,リードの挿入位置によって,心室各部位の興奮・収縮の時相が変化する.これまで心室ペーシングに由来する左室内異常高速血流は報告されていない.我々は右室心尖部にペーシングリードが挿入され,ペーシング調律下で収縮後期に左室中部から心尖部に向かう異常高速血流を認め,ペーシングオン/オフにより異常高速血流が出現/消失する2例を経験したので,ここに報告する.ストレインレートイメージング法や組織ドプラ法を用いた壁運動解析により,この2症例の収縮後期異常高速血流の出現機序は以下のように考察された.すなわち,右室心尖部ペーシングによってリード先端に接する左室心尖部が心基部・中部より早く収縮を始め,収縮後期には心尖部ではすでに拡張及び圧下降が始まっているのに対し,心基部・中部はまだ収縮中で圧が高く,心基部‐心尖部圧較差が生じた結果,心尖部に向かう左室内異常高速血流が出現した.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 39 (2), 113-119, 2012

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (5)*注記

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