急性胆嚢炎における超音波像の経時的変化について

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  • Temporal changes of ultrasound images in acute cholecystitis

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目的:急性胆嚢炎における各種超音波検査(US)所見が発現する時間帯を明らかにすることで診断精度の向上が望めるかを検討した.対象と方法:2010年1月から2015年2月までの急性胆嚢炎128例のうち,発症日時が特定でき,US施行までの期間に積極的治療が行われていなかった69症例(男性41例,女性28例,平均年齢54.0歳)について,時間経過に伴う各種US所見(胆嚢腫大,胆泥,壁肥厚,壁内低エコー帯,胆嚢周囲液体貯留,膿瘍形成)の出現頻度を調べた.結果と考察:時間経過とともに腫大,胆泥および壁肥厚,低エコー帯,周囲液体貯留,膿瘍形成の順に出現頻度が増加した.発症後10時間以内に検査された70.0%(7/10)には腫大しかみられず,また腫大しかみられなかった10例全例が発症後15時間以内にUSが施行されており,腫大のみでも15時間以内であれば急性胆嚢炎を否定できないと考えられた.また発症24時間以降にUSが施行された91.7%(33/36)には少なくとも腫大+胆泥+壁肥厚がみられ,発症後24時間以降で腫大,胆泥,壁肥厚の何れもみられない場合は急性胆嚢炎の可能性が低いと考えられた.結論:急性胆嚢炎における各種US所見の出現順序と,それらが発現する時間帯を把握することで診断精度の向上が望めると考えられた.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 43 (1), 103-113, 2016

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (11)*注記

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