SSRI投与により症状の一部改善を認めた大脳皮質基底核変性症の一例

  • 石井 洋
    東北大学大学院 医学系研究科高齢者高次脳医学 川崎こころ病院
  • 目黒 謙一
    東北大学大学院 医学系研究科高齢者高次脳医学
  • 赤沼 恭子
    東北大学大学院 医学系研究科高齢者高次脳医学
  • 山口 智
    東北大学大学院 医学系研究科高齢者高次脳医学 大崎-田尻スキップセンター
  • 森 悦朗
    東北大学大学院 医学系研究科高次機能障害学

書誌事項

タイトル別名
  • A case study of corticobasal degeneration patient who's symptoms were partially ameliorated by using SSRI

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抄録

  [背景]これまで大脳皮質基底核変性症 (CBD) に対する有効な治療法は知られていない。今回,CBD に SSRI を投与することで一部症状の改善を認めた症例を経験したので報告する。[症例]症例は 80 歳,男性,右利き,教育歴 6 年。2001 年ごろから転倒あり,2002 年 12 月ごろから発語困難。2003 年1 月,他院にて脳梗塞による仮性球麻痺と診断。その後,徐々に構音障害と左上肢機能低下が進行し,2004 年 5 月精査のため当科に入院。神経学的には構音障害,眼球運動障害,左上下肢のジストニアを認めた。認知機能では注意,遂行機能,構成の障害。頭部 MRI では,中心溝が右が強く開大。頭部 SPECT では右優位の血流低下。Boeve の CBD 臨床診断基準等に合致した。SSRI (パロキセチン10mg)を投与開始したところ,歩行とバランスの改善,認知面は注意·遂行機能の改善があった。[考察]CBD で欠乏しているセロトニンを補うことによる症状の改善が考えられた。

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参考文献 (15)*注記

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