日本産カシパン類に寄生するカシパンヤドリニナとトクナガヤドリニナの再記載と寄生様式

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タイトル別名
  • Redescriptions and Attachment Modes of <i>Hypermastus peronellicola</i> and<i> H. tokunagai</i> (Prosobranchia: Eulimidae), Ectoparasites on Sand Dollars (Echinodermata: Clypeasteroida) in Japanese Waters
  • Redescriptions and attachment modes of Hypermastus peronellicola and H. tokunagai (Prosobranchia: Eulimidae), ectoparasites on sand dollars (Echinodermata: Clypeasteroida) in Japanese waters

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ヨツアナカシパンとハスノハカシパンより採集したハナゴウナ科貝類標本とタイプ標本を検討した結果,カシパンヤドリニナHypermastus peronellicolaとトクナガヤドリニナHypermastus tokunagaiにそれぞれ同定されることが明らかになった。標本の形態観察及び計測による比較を行った結果,両種は以下の特徴により区別できた;1)カシパンヤドリニナに比べてトクナガヤドリニナの殻は細長く,殻口は小さい;2)後成殻層の高さと幅の比率がカシパンヤドリニナでは緩やかに変化するのに対し,トクナガヤドリニナでは急激に変化する。側面はカシパンヤドリニナでは各層が凸状に膨らむが,トクナガヤドリニナではほぼ直線状となる;3)カシパンヤドリニナの外唇縁はS字状で,中央より少し上の部分が最も突出するのに対し,トクナガヤドリニナでは扇形に湾曲して中央部が突出する。また,トクナガヤドリニナでは縫合線が一度下がって外唇縁に繋がるのに対し,カシパンヤドリニナでは直接外唇縁に繋ぐ;両種は寄生様式が大きく異なり,カシパンヤドリニナが宿主の殻に孔をあけて吻を体腔まで伸ばしていたのに対し,トクナガヤドリニナは吻を吸盤状にして宿主の表面にくっつけて寄生していた。したがって,両種の摂餌様式も異なる可能性が示唆された。

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