ナマコ類の内部寄生者であるコノワタヤドリニナ属(新称)(腹足綱:ハナゴウナ科)の日本初記録

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タイトル別名
  • First Record of the Genus <i>Megadenus</i> Rosén, 1910 (Gastropoda: Eulimidae), Endoparasites of Sea Cucumbers, from Japan
  • First record of the genus Megadenus Rosen, 1910 (Gastropoda: Eulimidae), endoparasites of sea cucumbers, from Japan

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抄録

奄美大島笠利湾の礫混じりの砂泥干潟に棲息するシカクナマコStichopus chloronotusの呼吸樹よりハナゴウナ科の一種Megadenus cantharelloidesを記録した。本種は,インド洋のアルダブラに棲息するシカクナマコの消化管の内壁に寄生する個体に基づいて記載されたが,その後ニューカレドニアで記録されて以来,報告がなかった。今回の報告はM. cantharelloidesの世界三番目の産地であり,Megadenus属の日本初記録でもある。本種の和名としてシカクナマココノワタヤドリニナを提案する。本記録により,シカクナマココノワタヤドリニナはインド洋からに日本にかけて広く分布し,その寄主はシカクナマコのみであることが明らかになった。2009年5月に行った笠利湾での観察結果では,採集したシカクナマコの4%にシカクナマココノワタヤドリニナが寄生しており,1匹のシカクナマコの呼吸樹から最大で3個体が見つかる例も観察された。

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