三陸沖と相模湾の深海底湧水域からさらなるシロウリガイ属の新種

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タイトル別名
  • Another New <i>Calyptogena</i> Clam from Deep-Sea Seeps off the Sanriku Coast and in Sagami Bay, Japan (Mollusca: Bivalvia)
  • Another new Calyptogena clam from deep-sea seeps off the Sanriku coast and in Sagami Bay, Japan (Mollusca: Bivalvia)

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説明

相模湾の初島沖の水深1100 m付近におけるシロウリガイCalyptogena soyoaeとシマイシロウリガイC. okutaniitが混棲する湧水生物群集の中から,形態およびミトコンドリアDNAの塩基配列で識別される種が見つかった。<br>Calyptogena (Archivesica) fortunata n. sp. サイワイシロウリガイ(新種・新称)<br>殻長43.8 mm殻高26.5 mm殻幅15.4 mm( ホロタイプ)。<br>殻は長卵型で同種は形態的にはシロウリガイの若齢個体と紛らわしい。右殻の中央主歯は太い三角錐状で殻頂下前主歯は庇状で,後主歯と約120°をなす。左殻の前後殻頂下主歯は逆V字型で後背主歯は斜位でやや半月型。側歯はなく,殻頂下洞は痕跡的で小月面もない。外套湾入は殆ど認められない。<br>初島の標本はかって1999年淡青丸が三陸沖の水深1100~1700 m付近で採集していた未記載の種とミトコンドリアCOI領域の塩基配列が一致した。相模湾の個体は三陸のものに比し,同サイズでも殻が厚く鉸歯も成長段階が進んでいるが如くで,やや異なった表現型を示す。塩基配列(COI)から見ると,本種はテンリュウシロウリガイC. laubieri と単系統をなすことが判った。

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