北サハリンで確認されたコガタカワシンジュガイの新産地記録

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  • 秋山 吉寛
    Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University Okhotsk Fish Conservation Society
  • 木村 龍一
    Okhotsk Fish Conservation Society Graduate School of Fisheries Sciences, Hokkaido University
  • 野本 和宏
    Okhotsk Fish Conservation Society Shibetsu Salmon Museum
  • 臼井 平
    Okhotsk Fish Conservation Society Historical Museum of Hokkaido
  • 町田 善康
    Okhotsk Fish Conservation Society Bihoro Museum

書誌事項

タイトル別名
  • New Record of the Freshwater Pearl Mussel <i>Margaritifera togakushiensis </i>from Northern Sakhalin, the Russian Far East
  • New Record of the Freshwater Pearl Mussel Margaritifera togakushiensis from Northern Sakhalin, the Russian Far East

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抄録

本報告は,北サハリンに分布するコガタカワシンジュガイの死殻の発見を初めて報告するものである。著者らは2011年10月21~24日にかけて,北サハリンを流れるダギ川にてカワシンジュガイ類及び魚類の採集を行なった。26個体の死殻と1個体の生貝が採集され,これらの標本のうち,ほぼ欠損の無い死殻4個体と生貝1個体に対して殻形態に基づく種同定を行なった。コガタカワシンジュガイらしき標本に関しては慎重な種同定を行なうため,著者らの他に,コガタカワシンジュガイに詳しい研究者3名による種同定も合わせて行なわれた。結果,死殻1個体がコガタカワシンジュガイ,その他の標本はカワシンジュガイと同定された。魚類はイトウ,オショロコマ,アメマス,ギンザケ,エゾウグイが採集され,これらのうち,コガタカワシンジュガイの宿主であるアメマスが最も多く釣獲された。コガタカワシンジュガイの分布はアメマスの分布範囲内に限定されており,アメマスの世界的な分布から,コガタカワシンジュガイはサハリンより北部のカムチャッカ半島,マガダン州,ハバロフスク地方にも分布する可能性があると考えられる。

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