コウモリ類による日中のねぐらとしての橋梁の利用 : 北海道帯広市の事例

  • 赤坂 卓美
    北海道大学大学院農学研究院森林・緑地管理学講座森林生態系管理学分野
  • 柳川 久
    帯広畜産大学野生動物管理学研究室
  • 中村 太士
    北海道大学大学院農学研究院森林・緑地管理学講座森林生態系管理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Use of bridges as day roosts by bats in Obihiro
  • コウモリルイ ニ ヨル ニッチュウ ノ ネグラ ト シテノ キョウリョウ ノ リヨウ ホッカイドウ オビヒロシ ノ ジレイ

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説明

北海道帯広市におけるコウモリ相とコウモリ類による橋梁の利用実態(日中のねぐら)を調査した。調査地域内において6属11種のコウモリ類の生息を確認し、うち2属6種において橋梁の利用を確認した。橋梁は裏側の構造に基づいて3タイプに分けられた(平底型:平らで溝が無い、小部屋型:梁により数個の小部屋に仕切られている、縦溝型:細い溝が橋梁と平行に数本ある)。3タイプの橋梁のうち小部屋型および縦溝型の2タイプをコウモリが利用していた。コウモリ類は小部屋型を最も多く利用しており、利用個体数も多かった。縦溝型は単独での利用がほとんどであり、幼獣の利用率が最も高かった。また、縦溝型は利用種数が最も多かった。コウモリ類における日中のねぐらとしての橋梁の利用は、利用するコウモリの繁殖ステージにより、選択する橋梁の構造が異なることが明らかになった。新たな構造の橋梁である合成床板橋の増加によって、コウモリ類のねぐら場所として潜在的に利用可能な橋梁は減少すると推測される。

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参考文献 (34)*注記

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