介護職の腰痛予防への取り組みと腰痛に対する問題意識 : 施設管理者へのインタビューを通して

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  • Low Back Pain Prevention and Problem Cognition in Special Nursing Home : Through Interviews with Management

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説明

目的:本調査では,施設として展開する腰痛予防対策への資料を得るために,施設が行う腰痛予防対策の実情と,その規定要因である管理者側の腰痛に対する問題意識を明らかにすることを目的とした.方法:2005年9月から11月に,13の特別養護老人ホームに訪問し,施設長または介護業務責任者にインタビュー調査を行い,内容を分析した.結果:介護職の腰痛に問題意識をもつ施設は13施設中9施設であった.ボディメカニクスの活用や介護方法の学習会が多くの施設で行われていた.また,個別対応介護の排泄介助といった利用者の安全・安楽を考えた作業管理の工夫が行われ,それが腰痛予防にも繋がることが語られた.腰痛の問題意識が高くない施設においても同様の対策が行われていた.しかし,介護スペースを広く確保している施設や介護職のユティリティが整っている施設は少なかった.また,不適切な介護動作の要因として10施設で,「時間の余裕がない」ことを挙げていた.結論:本研究の結果より,直接的には介護職の腰痛予防を目的としていないが,施設として実施している利用者の安全や安楽に配慮した作業管理の改善が介護負担の軽減となり,結果的には介護職の腰痛予防に繋がることが示唆された.加えて,作業環境や健康安全管理体制を整備することが必要であることが示唆された.

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