自治体で自殺対策を担当している保健師と精神保健福祉士が感じている自殺に対する住民の意識,影響する地域特性,活動の課題

書誌事項

タイトル別名
  • Residents' Awareness of Suicide, and Its Effect on the Local Characteristics of and Problems Experienced by Public Health Nurses and Psychiatric Social Workers Responsible for Local Municipality Suicide Prevention Countermeasures
  • ジチタイ デ ジサツ タイサク オ タントウ シテ イル ホケンシ ト セイシン ホケン フクシシ ガ カンジテ イル ジサツ ニ タイスル ジュウミン ノ イシキ,エイキョウ スル チイキ トクセイ,カツドウ ノ カダイ

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説明

目的:自治体の自殺対策担当者である保健師や精神保健福祉士が,自殺に対する地域住民の意識や自殺に影響を及ぼす可能性のある地域特性および自殺対策活動の課題として感じていることを明らかにし,効果的な自殺対策活動推進のための示唆を得る.方法:A県内12地域の県型保健所および市町村の自殺対策担当者14人を対象とし,半構造的面接法により収集したデータを質的記述的に分析した.結果:自殺対策担当者が感じている地域住民の意識として,【高い住民の意識・関心】【他人事として容認】【タブー視する風潮】の3カテゴリーが抽出された.地域特性としては,古くからの地域に関する【助け合う・見守る文化】【閉鎖的・排他的・封建的】,新しいまちに対する【生活が便利】【地域のつながりの薄さによる孤独や生きづらさ】などの6カテゴリーが抽出された.自殺対策活動の課題としては,【分析と効果把握の必要性】【市町村の抵抗感や苦手意識】【市町村の担当部門の明確化】などの5カテゴリーが抽出された.考察:自殺対策担当者が感じている住民の意識や地域特性として,比較的都市部と郡部といった地域による相違が把握できた.また,自殺対策活動の課題としては,保健所と市町村の役割分担に"ジレンマ"を感じていた.保健所と市町村が協働して地域の自殺の実態把握をしたうえで,市町村が住民の力を借りて,地域の絆やつながりの仕組みづくりをしていく活動を,保健所が後押ししていくことが自殺対策活動の展開のために重要であると示唆された.

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