霞ヶ浦湖岸植生帯の衰退とその地点間変動要因

書誌事項

タイトル別名
  • Spatio-temporal pattern and factors of vegetation decline in Lake Kasumigaura
  • カスミガウラ コガンショクセイタイ ノ スイタイ ト ソノ チテン カン ヘンドウ ヨウイン

この論文をさがす

抄録

湖岸植生帯の衰退や維持に関わる要因を明らかにするとともに各要因間の相対的な重要性を評価するため,霞ヶ浦(西浦)の湖岸沿い1km毎に設けた122の地点における過去30年間の植生帯衰退の程度と環境要因の関係を,植生図など既往研究の結果より分析した.そこで各地点における1972〜1982年の間の抽水植物帯および沈水植物帯の「幅」(湖岸に対して垂直方向にみた植生帯の幅)の減少率,1982〜1997年,1972〜1997年の間の抽水植物帯の幅の減少率の各々を従属変数,各地点における堤防の設置位置,湖岸の地形勾配,波高,底質の粒径,流入河川からの距離,沈水植物帯の規模を説明変数の候補とするステップワイズ重回帰分析を行った.抽水植物帯幅の減少率の地点間変異は,いずれの期間においても堤防の設置位置と波高によって有意に説明され,堤防が沖寄りに設置された場所,波高が高い場所で抽水植物帯の減少が著しいことが示された.また1972〜1982年の間の抽水植物帯幅の減少率については1972年における沈水植物帯幅の効果も有意で,沈水植物帯の幅が狭い場所ほど抽水植物帯の減少が著しいことが示された.沈水植物帯の減少パターンは,ここで分析した環境要因では十分に説明できなかった.

収録刊行物

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (48)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ