茨城県妙岐ノ鼻(浮島湿原)のヨシ群落の立地指標としてのコケ植物

  • 杉村 康司
    独立行政法人医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター種子島研究部
  • 鵜沢 美穂子
    ミュージアムパーク茨城県自然博物館

書誌事項

タイトル別名
  • Bryophytes as an indicator of the habitat of Phragmites australis communities in Myoginohana Marsh (Ukishima Marsh), Ibaraki Prefecture, Japan
  • イバラキケン ミョウキノハナ(ウキシマ シツゲン)ノ ヨシ グンラク ノ リッチ シヒョウ ト シテ ノ コケ ショクブツ

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説明

妙岐ノ鼻のヨシ群落の植生調査を行い、調査区に出現した維管束植物の種数、種組成とコケ植物の対応を検討した。出現するコケ植物の種類によって、同群落に出現する維管束植物の種組成ならびに生育立地に明瞭な違いが見られることが明らかになった。ヨシ群落はコケ植物に着目した結果、ヒメミズゴケタイプ、コアナミズゴケタイプ、ササオカゴケタイプ、コケ植物無しタイプの4群落タイプに区分できた。ヒメミズゴケ、コアナミズゴケ、ササオカゴケが出現したヨシ群落は、維管束植物の出現種数が有意に多く、ヨシ群落の草本層第1層の高さと植被率が有意に低かった。希少種は、ヒメミズゴケタイプとコアナミズゴケタイプのヨシ群落に出現した。以上のことから、これらのコケ植物は、妙岐ノ鼻のヨシ群落における立地指標としての有効性が高く、種多様性の保全を検討する材料のひとつとして重要であることが示唆された。

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