日本産カワシンジュガイ属2種の遺伝的多様性,分化,及び集団構造

  • 酒井 治己
    Department of Applied Aquabiology, National Fisheries University
  • 栗原 善宏
    Graduate School of Fisheries Sciences, Hokkaido University
  • 後藤 晃
    Faculty of Fisheries Science, Hokkaido University

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic Diversity, Divergence and Population Structure in the Japanese Freshwater Pearl Mussels <i>Margaritifera laevis</i> and <i>M. togakushiensis</i>
  • Genetic Diversity, Divergence and Population Structure in the Japanese Freshwater Pearl Mussels Margaritifera laevis and M. togakushiensis

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抄録

<p>絶滅危惧種である日本産カワシンジュガイ属Margaritifera 2種の遺伝的多様性,分化,及び集団構造を調査するため,北海道から本州より得られたカワシンジュガイM. laevisの17集団とコガタカワシンジュガイM. togakushiensisの6集団について,16アロザイム遺伝子座の対立遺伝子頻度及びミトコンドリアにコードされた16S rRNA遺伝子の塩基配列(489 bps)を比較した。種間交雑の証拠は認められなかった。アロザイム遺伝子から見たカワシンジュガイにおける集団内の遺伝的多様性及び集団間の遺伝的分化は,同属他種と比較して若干大きかった。一方,コガタカワシンジュガイはすべての遺伝子座,集団において単型であった。16S rRNA遺伝子の塩基配列では,両種とも単型で,種間で10 bpの塩基置換が存在した。いずれの種の遺伝的多様性も,両性種のシジミ属貝類や海産貝類に比較してかなり低かった。</p>

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