発達障害の可能性を危惧した「気になる子ども」と育児者に対する家庭訪問援助の特質

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タイトル別名
  • Characteristics of Home Health Nursing by Public Health Nurses for Children with Suspected Autism Spectrum Disorders and Their Parents
  • ハッタツ ショウガイ ノ カノウセイ オ キグ シタ 「 キ ニ ナル コドモ 」 ト イクジシャ ニ タイスル カテイ ホウモン エンジョ ノ トクシツ

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抄録

<p> 乳幼児健康診査や子育て相談の場で,発達障害の可能性を危惧した「気になる子ども」と育児者に対する,保健師による家庭訪問を主軸においた看護援助の特質を明確にすることを目的とする.</p><p> 研究対象は,市町保健師7人による家庭訪問6事例である.調査項目は,保健師の意図,保健師の行為である.情報提供保健師には家庭訪問援助の過程を詳細に記述できる能力がある者とした.発達障害の可能性を危惧した児と育児者への支援で,保健師の意図302件と行為1,575件を分析対象とした.保健師の意図と行為を事例ごとに概観し,45の性質と7つの特徴を取り出した.この性質の内容は,広く実践者から(保健師740人;回答率44.8%,のおおむね8割),実践した経験がある・重要であるとの回答が得られた.</p><p> 保健師による家庭訪問援助では,発達障害の可能性を危惧した児と育児者の支援においても,[1]対象との信頼関係を形成し,維持できるようにする,[2]育児者の困難感がもたらす最悪の事態も想定しつつ児への対応能力を引き出し,良好な家族内人間関係のもと,療育生活を継続できるようにする,[3]育児者が児を肯定的に受け止め適切に療育できるようにする,[4]障害の診断を受けたときの気持ちを受け止める,ことを基盤におくものであった.また,特異的な特徴には,関係機関・職種との関係を調整し支援の方向性を統一する,および援助事例を積み重ねた実績から支援の方向性を予測する,があると考えられた.</p>

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