書誌事項

タイトル別名
  • Cause of Pre-harvest Fruit Softening and Comparison among Early-Ripening Strains of Japanese Persimmon 'Saijo'
  • カキ サイジョウ ニ オケル ジュジョウ ナンカ ハッセイ ノ ゲンイン ト ワセ ケイトウカンサ

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説明

カキ‘西条’の早生6系統における樹上軟化発生の系統間差とその原因および防止方法について検討した.<br> 7~9月の降雨が多い年においても,“遠藤”,“山坂”および“安部”の各系統は細根活性の低下がみられず,果実のエチレン発生量が低く推移し,樹上軟化の発生が少なかった.<br> 湛水処理後10日頃に,果実のエチレン発生量が極めて多くなり,その後著しい落葉と落果がみられた.これに対して,遮光処理では,果実のエチレン発生量が少なく,落葉および落果は対照区と同程度に少なかった.したがって,樹上軟化発生は土壌の過湿により促進されるものの,日射不足はほとんど影響を及ぼさないと考えられた.<br> 7月下旬以降の多孔質マルチの土壌全面被覆によって,土壌の水分変動が少なくなり,pF値2.3程度で推移した.それにより,果実のエチレン発生が抑えられ,樹上軟化発生が抑制される傾向がみられた.<br> 以上より,樹上軟化は次の2過程が続いて生じた場合に起こりやすいと考えられた.①果実発育後期の長雨により地下部の通気不足が生じる②その後の高温や強風による蒸散,水ストレスによる果実のエチレン生成が高まる.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 6 (1), 97-103, 2007

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (21)*注記

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