アンシミドールの毒性試験の概要

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タイトル別名
  • Ancymidol
  • アンシミドール ノ ドクセイ シケン ノ ガイヨウ

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抄録

各種毒性試験を実施し, アンシミドールの安全性を検討した.<br>ラットおよびマウスに対する急性経口毒性 (LD50) は10,000mg/kg以上を示し, 急性毒性は低く, 眼一次刺激性, 皮膚一次刺激性および皮膚感作性は陰性であった. ラットにおける亜急性毒性試験では, 高用量群で体重増加抑制, SGPTの減少, BUNの増加が認められたが検体投与との関連性は明らかでなかった.<br>イヌにおける亜急性毒性試験では, 試験初期にすべての投与群で顕著な食欲不振がみられ, 高用量群で嘔吐, 振顫, 痙攣, 過敏症, 瞳孔散大などがみられたが, その後それらは消失し, 回復した. 病理組織学的所見としては検体投与に関連した異常所見は認められなかった. 亜急性毒性試験における最大無作用量はラットで4000ppm, イヌで100mg/kg/dayであった.<br>ラットにおける催奇形性試験では催奇性は認められなかった.<br>変異原性については細菌を用いた復帰変異試験, チャイニーズハムスターCHL細胞を用いた染色体異常試験, ラット肝細胞を用いた in vitro 不定期DNA合成試験, マウス・リンパ腫細胞を用いた in vitro 前進突然変異誘発試験およびチャイニーズハムスターの骨髄における in vivo 姉妹染色分体交換試験のいずれの試験においても, アンシミドールは陰性を示した.<br>アンシミドール (農薬名: スリトーン) は, 昭和53年7月14日付で, きく, ゆり, ポインセチア, チューリップ等の植物成長調整剤として登録された.

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