促成トマトの防根給水ひも栽培における培地の種類が生育および収量に及ぼす影響

  • 木下 貴文
    (独)農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター 岡山大学大学院自然科学研究科
  • 桝田 正治
    岡山大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Various Substrates on Growth and Fruit Yield in Tomato Forcing Culture Using a Root-proof Capillary Wick

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抄録

促成トマトの防根給水ひも栽培において,培地の種類が生育および収量に及ぼす影響について三相分布および培地溶液の無機成分の比較から検討した.培地の種類によって三相分布は大きく異なり,栽培の前後でも粉砕籾殻,混合培地(田土:バーク堆肥:ピートモス:パーライト = 2 : 4 : 1 : 1),籾殻燻炭およびバーク堆肥では,その分布が大きく変化した.可販果収量には培地間で大きな違いが見られ,混合培地で最も高く,粉砕籾殻で最も低かった.果実糖度は,培地間で有意差が認められなかった.栽培前後の培地の液相率および気相率と可販果収量との関係をみると,気相率よりも液相率の方が,また栽培後より栽培前の値の方が相関は高かった.また,バーク堆肥および粉砕籾殻において,培地溶液のECおよびPO43を除く無機成分濃度が他の培地よりも高くなる時期があったが,養分の過剰や欠乏の症状は特にみられなかったことから,培地溶液の無機成分濃度が収量に及ぼす影響は小さいと考えられた.以上から,促成トマトの防根給水ひも栽培における培地選択の際には,栽培前の混合培地の液相率を指標にすることができ,本手法では,液相率が45~55%の範囲に入るよう設定すれば適当と判断され,この点で,上記の混合培地は本手法に適しているものと考えられた.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 10 (2), 197-202, 2011

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (12)*注記

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