肥料制限により長期貯蔵したキャベツセル成型苗の特性および定植後の生育・収量

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristic of Cabbage Plug Seedling Stored over the Long Term with Limited Fertilization and the Growth and Yield after Planting
  • ヒリョウ セイゲン ニ ヨリ チョウキ チョゾウ シタ キャベツセル セイケイ ナエ ノ トクセイ オヨビ テイショク ゴ ノ セイイク シュウリョウ

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抄録

肥料制限による苗貯蔵がキャベツのセル成型苗の形態,定植後の生育や収量・品質に及ぼす影響を検討した.元肥を含んだ育苗培地に播種して,追肥を与えず水道水のみを与えることにより,肥料を制限した.その結果,播種後3週以降は主茎長,最大葉長,葉数がほとんど変化せず,それ以降9週間にわたって定植適期の苗の形態を維持できた.肥料制限苗の葉緑素含量は,貯蔵中に低下したが,定植1週間以内に回復した.乾物率は,播種後6週には約20%と慣行苗の約2倍に達するが,定植から1週間後までに急速に低下して慣行苗とほぼ同じになった.また,播種後6週以上の肥料制限苗における定植後の相対成長率は,定植後1週は慣行苗に比べて低かったが,2週には回復して3週には,高い値となった.葉数や最大葉長も定植3週間後にはほぼ回復し,慣行苗と同等となった.肥料制限苗の収穫時の結球重と品質は,貯蔵期間による差はなく,慣行苗とほぼ同じであった.以上の結果から,キャベツの育苗において水のみを与える肥料制限法は,長期にわたり定植適期の苗の形態を維持でき,定植後の収穫物の収量,品質も確保できることから,有用な長期苗貯蔵技術と考えられた.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 9 (3), 293-298, 2010

    一般社団法人 園芸学会

参考文献 (18)*注記

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