ウンシュウミカンの着花に及ぼす9,10-α-ケトールリノレン酸の影響

  • 中嶋 直子
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点
  • 生駒 吉識
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点
  • 松本 光
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点
  • 中村 ゆり
    農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所つくば本所
  • 横山 峰幸
    株式会社資生堂リサーチセンター
  • 伊福 欧二
    株式会社資生堂リサーチセンター
  • 吉田 茂男
    理化学研究所植物科学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of 9,10-.ALPHA.-Ketol Linolenic Acid Treatment on Flower Bearing in Satsuma Mandarin
  • Effect of 9,10-α-Ketol Linolenic Acid Treatment on Flower Bearing in Satsuma Mandarin

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説明

9,10-αケトールリノレン酸(KODA)は,アオウキクサから単離され,数種の植物に対する花成促進作用が報告されている.本研究では,ウンシュウミカンを対象に,KODA処理が花成に及ぼす影響を調べた.まず,秋季に露地においたカラタチ台1年生ウンシュウミカンに対し,花成誘導が進んでいく過程(秋季の低温条件下)で,時期別にKODA処理を行い,摘葉高温処理後の花蕾発生数を調査した.低温遭遇に伴い,KODA処理の有無に関わらず,摘葉高温処理後の花蕾発生数は増加した.10月10日以前にKODA散布を行った処理区で,無処理区に比べ,10月30日の摘葉高温処理後に着花数の増大がみられた.この着花数の増大には,発芽節数の増大がともなう傾向にあった.一方,花成誘導が起こらない高温条件下(25℃)でKODAを処理したところ,摘葉高温処理後の着花数に影響はみられなかった.以上の結果から,KODAは,花成誘導が進む条件下で処理された場合に,ウンシュウミカンの着花を促進すると考えられた.さらに,KODAによる着花促進効果の主因は,えき芽の発芽促進であると考えられた.ただし,この着花促進効果は,低温遭遇が不十分な時期の着花で限定的に現れる傾向にあった.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 10 (3), 407-411, 2011

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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